郵便荷物車
HOME


TOPPREVNEXTBOTTOM (オハ31系)郵便荷物車

◆スユニ30
 スユニ30 1〜20(ダブルルーフ車、旧スユニ36200〜36219)
21, 22(ダブルルーフ車、旧スユ30)
 日本初の鋼製郵便荷物車で、1927〜1929(昭和2〜4)年に日本車輌、川崎車輌、汽車製造で20両製造された。車体形状は木製客車の外板を鋼製化した構造となっており、二重屋根(ダブルルーフ)17mの車体を有し、魚腹形台枠を用い、側窓は小さく(上下寸法660mm)、台車は縁山形鋼を用いたTR13を使用している。車内は前後に出入台を設けており、前位から順に郵便区分室、荷物室、車掌室が配置され、積載荷重は郵便室5t、荷物室5tである。1927(昭和2)年に製造された15両は当初スユニ47600〜47614であったが、1928年(昭和3)年にスユニ36200〜36214に改番された。1929(昭和4)年にスユニ36215〜36219が増備され、1941年(昭和16)年にスユニ30 1〜20に改番された。1951年(昭和26)年にはスユ30形2両が改造されスユニ30 21,22に編入されているが、この2両は荷物室が若干広く窓配置も異なる。1両が戦災で廃車となり、12両が救援車スエ30形に改造され、残った9両も1966(昭和41)年までに廃車となり形式消滅した。

スエ30 60
スエ30 60(仙コリ
塩釜埠頭、1988年11月27日

 <車両履歴>
  スユニ36219(1929年/新製)
    ↓
  スユニ30 20(1941年/改番)
    ↓
  スエ30 60 (1966年/改造)



TOPPREVNEXTBOTTOM (スハ32系)郵便荷物車

◆マユニ31
 マユニ31 1〜13(旧マユニ36250〜36262)
 スユニ30形に引き続き製造された日本初の20m級鋼製郵便荷物車で、1935〜1936(昭和10〜11)年に汽車製造、川崎車輌で13両製造された。車内は前後に出入台を設けており、前位から順に郵便区分室、便所・休憩室、荷物室、車掌室が配置されている。積載荷重は郵便室7t、荷物室6tで、台車はTR23を使用している。製造当初はマユニ36250〜36262であったが、1941年(昭和16)年にマユニ31 1〜13に改番された。5両が救援車スエ31形、スエ32形に改造され、残った8両も廃車となり形式消滅した。

スエ31 14
スエ31 14(秋カタ
山形客貨車区、1988年 5月28日

 <車両履歴>
  マユニ36251(1935年/新製)
    ↓
  マユニ31 2 (1941年/改番)
    ↓
  スエ31 14 (1967年/改造)



TOPPREVNEXTBOTTOM (オハ61系)郵便荷物車

◆スユニ60
 スユニ60 1〜47(電気暖房付は+2000)
201〜218(北海道向け)
301, 302(北海道向け、魚腹台枠車)
 1954〜1955(昭和29〜30)年に木製車を鋼体化して誕生した郵便荷物車で、日本車輌、飯野産業、輸送機工業で67両改造された。車内は後位に出入台を設けており、前位から順に郵便区分室、便所・洗面所、荷物室、車掌室が配置されている。積載荷重は郵便室4t、荷物室6tで、台車はTR11またはTR13を使用している。比較的近年までローカル線を中心に活躍したが、事業用車等に改造されることなく1984(昭和59)年までに全車廃車となり形式消滅した。

スユニ60 2013
スユニ60 2013(水ミト
小山駅、1982年 5月 1日

 <車両履歴>
  スユニ60 13 (1954年/鋼体化)
    ↓
  スユニ60 2013(19--年/電暖化)



TOPPREVNEXTBOTTOM (オハ61系)郵便荷物車

◆スユニ61
 スユニ61 1〜49(旧オハニ61、電気暖房付は+2000)
101〜115(旧オハニ61、電気暖房付は+2000)
2116〜2120(旧オハユニ61、電気暖房付)
301〜305(旧スロフ53)
501〜516(北海道向け、旧オハニ61、スハニ62)
 老朽化した戦災復旧車などの車両の置換用として、スユニ60形を基本にオハニ61形等の鋼体化客車またはスロフ53形を改造した郵便荷物車で、1965〜1969(昭和40〜44)年に土崎、小倉工で一般形74両、北海道向け16両、合計90両が改造された。外観等は種車により異なるが、車内は後位に出入台を設けており、前位から順に郵便区分室、便所・洗面所、荷物室、車掌室が配置されている。種車の荷物室部分を再利用し客室部分を郵便室に改造しているため(オハユニ61形、スロフ53形改造車を除く)、スユニ60形より郵便室が広く荷物室が狭くなり、積載荷重は郵便室5t、荷物室5tとなっている。3両がマニ60形710番代に改造されたが、1985(昭和60)年までに全車廃車となり形式消滅した。

番 号 種 車 特 徴 両数
1〜49 ← オハニ61 ← スハニ61 TR11またはTR13台車、電気暖房付は+2000 49
101〜115 ← オハニ61 ← スハニ61 TR11またはTR13台車、電気暖房付は+2000 15
2116〜2120 ← オハユニ61 TR11またはTR13台車、全車電気暖房付 5
301〜305 ← スロフ53 ← スロ53 TR23台車 5
501〜516 ← オハニ61 ← スハニ61
← スハニ62
北海道向け、TR11またはTR13台車 5

スユニ61 503
スユニ61 503(旭アサ
旭川客貨車区、1986年 9月11日

 <車両履歴>
  オハニ61 390(1954年/鋼体化)
    ↓
  スユニ61 503(1965年/改造)



TOPPREVNEXTBOTTOM (戦災復旧車70系)郵便荷物車

◆オユニ70
 オユニ70 1〜5
 戦災復旧車として1950(昭和25)年に富士産業で5両製造された17m級の郵便荷物車である。後位に出入台が設けられ、前位から順に便所、郵便区分室、荷物室、便所、車掌室が配置されている。積載荷重は郵便室3t、荷物室5tで、台車はTR11を使用している。1965(昭和40)年に1両が救援車オエ70形に改造されたが、残りの4両は1967(昭和42)年までに廃車となり形式消滅した。



TOPPREVNEXTBOTTOM (戦災復旧車70系)郵便荷物車

◆オユニ71
 オユニ71 1〜10(旧オハ71)
 戦災復旧車オハ71形を種車に改造した郵便荷物車で、1951(昭和26)年に土崎、長野工で10両改造された。車体は客車形と電車形の2タイプが存在する。種車オハ71形の面影を多く残した改造で、前位から順に便所、郵便区分室、荷物室、便所、車掌室が配置されている。台車はTR11またはTR23を使用している。1962〜1963(昭和37〜38)年に2両が救援車スエ71形に改造されたが、残りの8両は1969(昭和44)年までに廃車となり形式消滅した。



TOPPREVNEXTBOTTOM (戦災復旧車70系)郵便荷物車

◆スユニ72
 スユニ72 1〜33(旧オハ71)
51〜55(旧オハ71)
56, 57(旧オハフ71)
 1953〜1954(昭和28〜29)年に戦災復旧車オハ71形またはオハフ71形を種車に改造した郵便荷物車。オユニ71形とは異なり本格的な改造が行われているため、後位に新たに出入台が設けられ、室内配置は前位から順に郵便区分室、便所・洗面所、荷物室、車掌室となっている。スユニ72 1〜33の種車は客車からの復旧車オハ71形であるが、スユニ72 51〜57は電車形のオハ71形およびオハフ71形からの復旧車であるため、側窓が大きく半流形が存在するなど、電車時代の面影を多く残している。1962〜1967(昭和37〜42)年に10両が救援車スエ71形に改造されたが、残りは1967(昭和42)年までに廃車となり形式消滅した。

スエ71 35
スエ71 35(秋オテ
土崎工場、1986年 9月15日

 <車両履歴>
  オハ71 58 (1947年/復旧)
    ↓
  スユニ72 21(1953年/改造)
    ↓
  スエ71 35 (1965年/改造)

スユニ72 51
スユニ72 51(米イモ 京都駅、1958年 8月13日

 写真:筏井満喜夫氏より提供

 <車両履歴>
  オハ71 11 (1946年/復旧)
    ↓
  スユニ72 51(1954年/改造)
    
  スエ71 19 (1962年/改造)



TOPPREVNEXTBOTTOM (戦災復旧車70系)3軸ボギー郵便荷物車

◆マユニ78
 マユニ78 1〜29(旧オハ78)
 戦災復旧車オハ78形(旧オハ77形)を種車に改造した3軸ボギー郵便荷物車で、1953〜1954(昭和28〜29)年に旭川、長野工で29両改造された。車体はスユニ72形と全く同一であるが、客車形のオハ78形からの改造車であるため半切妻(折妻形)形または丸屋根形の2タイプのみが存在する。後位に新たに出入台が設けられ、室内配置は前位から順に郵便区分室、便所・洗面所、荷物室、車掌室となっている。台車はTR71またはTR73を使用している。1965〜1966(昭和40〜41)年に11両が救援車スエ78形に改造されたが、残りの18両は1968(昭和43)年までに廃車となり形式消滅した。

スエ78 4
スエ78 4(釧オヒ
帯広運転区、1986年 9月14日

 <車両履歴>
  オハ77 1 (1946年/復旧)
    ↓
  オハ78 1 (1953年/改番)
    ↓
  マユニ78 1(1953年/改造)
    ↓
  スエ78 4 (1965年/改造)



TOPPREVNEXTBOTTOM (50系)郵便荷物車

◆スユニ50
 スユニ50 2001〜2063(電気暖房付)
501〜517(北海道向け)
 老朽化したスユニ60形スユニ61形の置換用として、マニ50形を基本にスハネ16形、スハ43形などの台車・連結器等を利用して車体を新製した郵便荷物車で、1977〜1982(昭和52〜57)年に長野、名古屋、後藤、幡生、小倉工および鹿児島車両管理所で一般形63両、北海道向け17両、合計80両が改造された。車内は前後に出入台を設けており、前位から順に郵袋室、郵便区分室、便所・洗面所、荷物室、車掌室が配置され、積載荷重は郵便室4t、荷物室4tとなっている。台車は種車のTR47Bを再利用しているが、一般形は車軸発電機(KS3N)を、北海道向けの500番代は歯車駆動方式の車軸発電機(KS3N-G)を装備するために一部改造している。1986(昭和61)年11月改正の荷物輸送の廃止によりほとんどが廃車となり、現在は救援車代用として一般形2両、北海道向け3両が在籍する。

スユニ50 2034
スユニ50 2034(仙フク
福島駅、1989年 5月 4日

 <車両履歴>
  スハ43 569  (1954年/新製)
    ↓
  スユニ50 2034(1980年/改造)
スユニ50 514
スユニ50 514(釧クシ
釧路運転所、1993年 7月25日

 <車両履歴>
  スハ43 424 (1954年/新製)
    ↓
  スハ43 2424 (19--年/電暖化)
    ↓
  スユニ50 514(1981年/改造)


HOME】 【TOP (C)Copyright 1999-2005 Masahiro Ito.
All rights reserved.