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◆オロネ14
オロネ14 | 1〜14 |
301〜303(旧オハネ140番代、オロネ140番代、「出雲」用) | |
701〜703(旧オロネ140番代、「北陸」用) | |
オロネ14 1〜14は 寝台特急「さくら」「みずほ」「はやぶさ」の14系化により新製されたグループで、1972(昭和47)年に日本車輌で14両製造された。20系客車ナロネ21形と同様に中央通路を挟んで左右に上下2段寝台を線路方向に7区画ずつ配列したプルマン構造の開放寝台となっているが、寝台上段には寝台自動昇降装置が取り付けられている(定員28名)。前位側には便所・洗面所が設けられ、後位(出入台)側には更衣室、喫煙室、物置と車掌室が設けられている。冷房装置は屋根上の車端部にAU76を2台搭載しており、台車は20系客車のTR55を基本に新設計されたTR217Bを使用している(オロネ14 8〜14はTR217C)。品川、向日町に新製配置され東京・大阪〜九州間の寝台特急「さくら」「みずほ」「あかつき」などで使用され、その後は「紀伊」「ゆうづる」「北陸」などにも使用されたが、運用の都合で1982〜1986(昭和57〜61)年に3両がオロネ24形100番代へ改造された。JR移行後は 1989(平成元)年にオロネ14形700番代へ改造され、1991(平成3)年にオロネ14形300番代、オハネ14形300番代、「トワイライトエクスプレス」用サロンカーのオハ25形550番代へそれぞれ1両ずつ改造された。熊本(後に長崎へ転属)に残った5両は引き続き寝台特急「さくら」「みずほ」で使用されたが、1999(平成11)年12月に運用を離脱し、そのまま全車廃車となり区分消滅した。 オロネ14 301〜303は JR西日本において寝台特急「出雲」用の1人用個室A寝台車「シングルデラックス」としてオロネ14形0番代またはオハネ14形0番代を改造したグループで、1991(平成3)年に後藤車両所で3両改造された。改造では 種車の寝台を全て撤去してオロネ25形300番代と同様に洗面台やAV装置を備えた個室を10室設けており、車内配置は前位から順に脱衣室・シャワー室・自動販売機・便所、温水タンク室、1人用個室(シングルデラックス:10室)、出入台となっている。出雲に配置され オハネ14形300番代などとともに寝台特急「出雲」で使用されたが、1998(平成10)年7月に同列車が電車化されたため京都へ転属となり、現在は京都〜長崎間の寝台特急「あかつき」で使用されている。 オロネ14 701〜703は JR東日本において寝台特急「北陸」用の1人用個室A寝台車「シングルデラックス」としてオロネ14形0番代を改造したグループで、1989(平成元)年に大宮工で3両改造された。改造では 種車の寝台を全て撤去して洗面台やAV装置を備えた個室を11室設けており、車内配置は前位から順に便所・物置・自動販売機、1人用個室(シングルデラックス:11室)、車掌室、出入台となっている。3両とも尾久に配置され、現在も上野〜金沢間の寝台特急「北陸」で使用されている。 |
◆オハネ14
オハネ14 | 1〜106 |
301〜303(旧オハネ140番代、オロネ140番代、「出雲」用) | |
501〜517(旧オハネ140番代、北海道向け) | |
701〜706(旧オハネ140番代、「さくら」「みずほ」用) | |
オハネ14 1〜106は スハネフ14形0番代とともに新製されたグループで、1971〜1972(昭和46〜47)年に新潟鉄工所、富士重工業、日本車輌で106両製造された(オハネ14 1〜7は先行試作車)。寝台設備などは20系客車ナハネ20形を基本にグレードアップした3段式B寝台となっており、寝台幅が52cmから70cmと広くなり、寝台中段には寝台自動昇降装置が取り付けられている(定員48名→2段寝台改造車は32名)。冷房装置は屋根上の車端部にAU76を2台搭載しており、台車は20系客車のTR55を基本に新設計されたTR217Bを使用している(オハネ14 54〜106はTR217C)。品川、向日町に新製配置され東京・大阪〜九州間の寝台特急「さくら」「みずほ」「出雲」「あかつき」などで使用され、その後は北海道、四国を除く全国の寝台特急で使用された。1982〜1983(昭和57〜58)年に北海道向けとして17両がオハネ14形500番代に改造され、1984〜1985(昭和59〜60)年に6両がオハネ14形700番代に改造され、さらに1985〜1986(昭和60〜61)年に3両がオハ24形700番代に改造された。JR移行後は 1987〜1991(昭和62〜平成3)年に 1両がジョイフルトレイン「あすか」用サロンカーのオハ14形850番代に改造され、12両が寝台特急「北陸」用として改造され(スハネ14形700番代:3両、スハネ14形750番代:9両)、さらに4両が寝台特急「出雲」用として改造された(オロネ14形300番代:2両、オハネ14形300番代:2両)。
現在は11両が尾久、京都に在籍し 寝台特急「北陸」や波動輸送用などに使用されている。 オハネ14 301〜303は JR西日本において寝台特急「出雲」用の1人・2人用個室B寝台車「シングルツイン・ツイン」としてオハネ14形0番代またはオロネ14形0番代を改造したグループで、1991(平成3)年に鷹取工および後藤車両所で3両改造された。改造では 種車の寝台を全て撤去して、前位側にはね上げ式ベッド(エキストラベッド)付きの1人用個室(シングル・ツイン)を中央通路を挟んで6室設け、後位側には枕木方向に2段ベッドを配置した2人用個室(ツイン)を7室設けている。車内配置は前位から順に便所・洗面所、1人用個室(シングル・ツイン:6室)、2人用個室(ツイン:7室)、出入台となっている。出雲に配置され オロネ14形300番代などとともに寝台特急「出雲」で使用されたが、1998(平成10)年7月に同列車が電車化されたため京都へ転属となり、現在は京都〜長崎間の寝台特急「あかつき」で使用されている。 オハネ14 501〜517は 急行「まりも」「大雪」「利尻」用としてオハネ14形0番代を北海道向けに改造したグループで、1982〜1983(昭和57〜58)年に旭川、五稜郭車両センターおよび高砂工で17両改造された。改造では 北海道向けに室内暖房の強化や出入扉の引戸化などの耐寒耐雪改造が施工され、SG(蒸気暖房装置)の引通し管を新設して一般形客車との連結を可能とした。台車はブレーキシリンダを台車側バリ外側に移設したTR217Fに変更された。札幌に配置され、スハネフ14形500番代、14系座席車とともに急行「まりも」「大雪」「利尻」などで使用されたが、1989〜1990(平成元〜2)年に寝台特急「北斗星」用として14両が改造された(オロネ25形550番代:1両、オロハネ25形550番代:5両、オハネ24形500番代:4両、スハネ25形500番代:1両、オハネフ24形500番代:2両、オハ25形550番代:1両)。残った3両は引き続き急行「まりも」で使用されたが、同列車の特急化に伴い 1993(平成5)年にキハ183系との気動車併結化改造、塗色変更が行れ、現在は札幌〜釧路間の特急「おおぞら」で183系気動車とともに使用されている。 オハネ14 701〜706は 寝台特急「さくら」「みずほ」用の4人用個室B寝台車「カルテット」としてオハネ14形0番代を改造したグループで、1984〜1985(昭和59〜60)年に大宮工で6両改造された。改造では通路と寝台との間に仕切を設けて4人用区分寝室(コンパート、8室)として、各個室は昼間はソファ、夜間は上下2段寝台となるように変更された(定員32名)。品川に配置され その後は熊本へ転属となり、JR移行後も引き続き寝台特急「さくら」「みずほ」で使用されたが(長崎へ転属)、1997(平成9)年11月に運用を離脱し、翌1998(平成10)年に全車廃車となり区分消滅した。 |
◆スハネ14
スハネ14 | 701〜703(旧オハネ140番代、「北陸」用) |
751〜759(旧オハネ140番代、「北陸」用) | |
スハネ14 701〜703は 寝台特急「北陸」用のシャワー室付き1人用個室B寝台車「ソロ」としてオハネ14形0番代を改造したグループで、1989(平成元)年に大宮工で3両改造された。改造では 種車の寝台を全て撤去してAV装置を備えた個室を14室設けており、車内配置は前位から順に便所・洗面所、1人用個室(ソロ:14室)、待合所、シャワー室、水タンク室、出入台となっている。3両とも尾久に配置され、現在も上野〜金沢間の寝台特急「北陸」で使用されている。 スハネ14 751〜759は 寝台特急「北陸」用の1人用個室B寝台車「ソロ」としてオハネ14形0番代を改造したグループで、1989〜1990(平成元〜2)年に大宮工で9両改造された。改造では 種車の寝台を全て撤去してAV装置を備えた個室を20室設けており、車内配置は前位から順に便所・洗面所、1人用個室(ソロ:20室)、出入台となっている。9両とも尾久に配置され、現在も上野〜金沢間の寝台特急「北陸」で使用されている。 |
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スハネ14 703(東オク) 津幡駅、2001年 5月 1日 <車両履歴> オハネ14 106 (1972年/新製) ↓ スハネ14 703 (1989年/改造) |
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スハネ14 758(東オク) 高岡駅、2001年 5月 2日 <車両履歴> オハネ14 99 (1972年/新製) ↓ スハネ14 758 (1990年/改造) |
◆オハネ15
オハネ15 | 1〜42 |
351〜353(旧オハネ150番代、「あかつき」用) | |
1102, 1201, 1202, 1204, 1246(旧オハネ25100番代、「さくら」用) | |
2001〜2005(旧オハネ251000番代、「さくら」「富士」用) | |
オハネ15 1〜42はスハネフ15形とともに新製されたグループで、1978(昭和53)年に新潟鉄工所、富士重工業で42両製造された。寝台設備は同時期に製造されたオハネ25形100番代と同様に上段固定2段式となっており、寝台側の窓は上下寸法が小さくなっている(定員34名)。冷房装置は屋根上の車端部にAU77を2台搭載しており、台車はTR217Cを使用している。早岐に新製配置され大阪〜長崎・佐世保間の寝台特急「あかつき」などで使用され、その後は向日町へ転属し大阪〜九州間の寝台特急で使用された。1989(平成元)年に2両が「トワイライトエクスプレス」用サロンカーのオハ25形550番代へ改造され、1990〜1991(平成2〜3)年に2両がオハネ25形250番代に改造され、さらに1992(平成4)年に3両がオハネ15形350番代に改造され、現在は33両が京都、宮原、長崎に在籍し 寝台特急「さくら」「あかつき」「彗星」などに使用されている。 オハネ15 351〜353は JR西日本において寝台特急「あかつき」用の1人用個室B寝台車「ソロ」としてオハネ15形0番代を改造したグループで、1992(平成4)年に鷹取工で3両改造された。改造では 種車の寝台を全て撤去して、長手方向にベッドを配置した1人用個室(ソロ)を中央通路を挟んで28室設けている。車内配置は前位から順に便所・洗面所、1人用個室(ソロ:28室)、出入台となっている。向日町(後に京都)に配置され 寝台特急「あかつき」で使用されたが、2000(平成12)年3月以降は京都〜南宮崎間の寝台特急「彗星」で使用されている。 オハネ15 1102, 1201, 1202, 1204, 1246は JR九州において老朽化した寝台特急「さくら」のオハネ14形0番代の置換用としてオハネ25形100番代を14系化改造しオハネ15形に編入したグループで、1997〜1998(平成9〜10)年に小倉工で5両改造された。改造では引通し回路の変更などが行われたが、寝台設備は種車の上段固定2段式(定員34名)のままとなっている。改造後は長崎に配属され 現在は寝台特急「さくら」「富士」で使用されている。 オハネ15 2001〜2005は 1999(平成11)年12月のダイヤ改正における寝台特急「はやぶさ」「さくら」の併結運転化に伴いオハネ25形1000番代を14系化改造しオハネ15形に編入したグループ(1人用個室B寝台車「ソロ」)で、1999(平成11)年に小倉工で5両改造された。改造では引通し回路の変更などが行われたが、寝台設備は種車の1人用個室「ソロ」(定員18名)のままとなっている。改造後は長崎に配属され 寝台特急「さくら」「富士」で使用されている。 |
《参考文献》 | ||
・鉄道ピクトリアル: |
「新車年鑑 1984年版」1984-10 増刊(No.438) 鉄道図書刊行会 「新車年鑑 1985年版」1985-5 増刊(No.448) 「新車年鑑 1990年版」1990-10 増刊(No.534) 「特集 14・24系寝台車 (I)」1991-8(No.547) 「特集 14・24系寝台車 (II)」1991-9(No.548) 「新車年鑑 1991年版」1991-10 増刊(No.550) 「新車年鑑 1993年版」1993-10 増刊(No.582) 「新車年鑑 1998年版」1998-10 増刊(No.660) 「新車年鑑 2000年版」2000-10 増刊(No.692) |
・鉄道ファン: |
「特集:ブルートレイン+客車列車」1996-2(No.418) 交友社 「特集:ブルートレイン事情」1997-6(No.434) |
・Rail Magazine: |
「客車列車 世紀末を走る。」2000-10(No.205) ネコ・パブリッシング |
・「100年の国鉄車両2」1974 交友社 | ||
・「国鉄車両形式集8 客車 貨車」1987 山と渓谷社 | ||
・「国鉄特急編成史 機関車・客車編」1999 弘済出版社 | ||
・「JR気動車客車編成表」各年版 ジェー・アール・アール | ||
・「JR全車輌ハンドブック」各年版 ネコ・パブリッシング |
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