山陽線広島電化の際に1200tの重量列車を牽引するために新製された貨物用電気機関車で、1960〜1965(昭和35〜40)年に川崎車輌、東京芝浦電気、東洋工機+汽車製造、三菱重工業で129両製造された。新形直流電機のED60形を基本に3台車6軸形(軸配置 B-B-B)に拡大した新系列の電気機関車で、F級ながら旧形電機EH10形並みの大形出力機となっている。クイル式駆動方式を採用した先行試作車(EF60 1, 2)および第1次量産車(EF60 3〜14)、保守性・粘着性の関係で吊り掛け駆動方式に変更し 出力増強のため主電動機を変更した第2次および第3次量産車のEF60 15〜83、さらに前照灯のシールドビーム2灯化やエアーフィルター形状を変更したEF60 84〜129とに分けられる(写真は第2次量産車)。東海道・山陽本線を中心に全国の主要直流電化区間の貨物列車で使用されたが、1977(昭和52)年に先行試作車および第1次量産車のうち8両がEF61形200番代に改造され、さらに1977(昭和52)年にEF60 84〜129のうち3両がEF67形に改造され、その他は貨物列車の大幅削減によりJR移行直前の1987(昭和62)年までに1両を残して廃車となった。現在は国鉄末期の1986(昭和61)年にジョイフルトレイン「やすらぎ」用に外部塗色を変更したEF60 19が高崎に在籍するだけである。
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