新系列気動車 (Part1)
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! キハ32形の形式解説と写真を追加しました。



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2009. 6. 6 改訂

◆キハ31
 キハ31 1〜23(九州向け)
 老朽化した一般形気動車の置換用として九州向けに製造されたステンレス製気動車で、1987〜1988(昭和62〜63)年に新潟鉄工所、富士重工業で23両製造された。基本設計はステンレス製17m車体で、出入口扉はバス用の900mm幅折戸となっている。座席は新幹線用のクロスシート(発生品)を整備した1人掛けと2人掛けの転換式クロスシートを使用しているが、便所は設けられていない。冷房装置はバス用のユニットクーラーを鉄道用に設計変更したAU34を床下に搭載し、暖房は機関の排気熱を利用した温水式となっている。機関はキハ37形で使用されたDMF13Sを横形に変更したDMF13HS(250PS/1900rpm)を1台搭載し、台車は廃車発生品を改造したDT22G(TR51E)を使用している。博多、熊本、大分地区を中心に使用されたが、現在は である。

キハ31 11
キハ31 11(本タケ
博多駅、1988年 2月23日

 <車両履歴>
  キハ31 11 (1987年/新製)



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◆キハ32
 キハ32 1〜21(四国向け)
キハ32形は一般形気動車の置換用として四国向けにキハ54形0番代とともに製造された気動車で、1987(昭和62)年に新潟鉄工所、富士重工業で21両製造された。基本設計は16m車体のキハ32形と同様となっており、室内はバケット式のロングシートで出入口扉はバス用の900mm幅折戸となっているが、勾配線区用に2台機関搭載車となっているため車体長は20mとなっている。冷房装置は駆動機関直結形(バス用)のAU26Aを使用している。機関は250PS(1900rpm)のDMF13HSを2台搭載し、台車は廃車発生品のDT22C(TR51E)を使用している。松山、徳島、高知に新製配置され、各地域別にストライプが入った塗色で四国各地で使用されたが、その後高知へ転属し土讃線で使用されている。

キハ32 --
キハ32 --(四マツ NEW
八幡浜駅、2008年 -月--日

 <車両履歴>
  キハ32 -- (198-年/新製)
キハ32 --
キハ32 --(四コチ NEW
阿波池田駅、2008年 9月14日

 <車両履歴>
  キハ32 -- (198-年/新製)



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◆キハ33
 キハ33 1001, 1002(旧オハ50、便所なし)
 余剰となった50系客車オハ50形を種車としてJR西日本向けに気動車化改造された車両で、1988(昭和63)年に後藤車両所で2両改造された。改造では種車の両端部に半室式運転台が新設され、それに伴い運転席側の出入台が車体中央寄りに移設されている。車内配置はロングシート比率を高くしたセミクロスシートに変更されているが、便所は設けられていない(そのため車番は1000番代となっている)。冷房装置はバス用のサブエンジン式ユニットクーラーを鉄道用に設計変更したWAV201を床下に配置している。機関はキハ31形等で使用されているDMF13HS(250PS/1900rpm)を1台搭載し、台車は廃車発生品を改造したDT22G(TR51E)を使用している。2両とも米子(現在は後藤)に配置され 境線を中心に使用されている。

キハ33  1001
キハ33 1001(米ヨナ
米子駅、1990年 1月 6日

 <車両履歴>
  オハ50 5  (1978年/新製)
    ↓
  キハ33 1001(1988年/改造)



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◆キハ37
 キハ37 1, 2(便所付き)
1001〜1003(便所なし)
 本線用のキハ40系とは異なりローカル線用として製造された気動車で、1983(昭和58)年に新潟鉄工所、富士重工業で便所付きの0番代 2両、便所なしの1000番代 3両、合計5両が製造された。出入口は2カ所設けられ 座席はロングシートとなっているが、クロスシート車も増備可能な窓配置となっている。省エネルギーと構造の簡略化が図られており、車体の一部にはコスト削減のため廃車発生品が使用されている。機関は船舶用を鉄道用に設計変更した縦形のDMF13S(210PS/1600rpm)を1台搭載し、台車は廃車発生品を改良したDT22E(TR51D)を使用している。木更津、加古川に新製配置され久留里線、加古川線を中心に使用されたが、久留里線の3両(キハ37 2, 1002, 1003)は1998(平成10)年に機関をカミンズ製DMF14HZに換装し(250PS/1600rpm)、冷房装置をバスと同様の機関直結方式のものを取り付けている。加古川の2両(キハ37 1, 1001)は舞鶴線電化の関係で米子に転属となり境線などで使用されたが、現在は休車になっている。

キハ37  1002
キハ37 1002(千キサ
幕張電車区木更津支区、1989年 4月30日

 <車両履歴>
  キハ37 1002(1983年/新製)
キハ37 1003
キハ37 1003(千マリ
上総亀山駅、2007年 4月21日

 <車両履歴>
  キハ37 1002(1983年/新製)



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◆キハ38
 キハ38 1〜4(旧キハ35、便所付き)
1001〜1003(旧キハ35、便所なし)
 老朽化したキハ35系の置換用としてキハ35形の台車・変速機等を利用して車体を新製した通勤形気動車で、1986〜1987(昭和61〜62)年に大宮、長野、鷹取工および幡生車両所で便所付きの0番代 4両、便所なしの1000番代 3両、合計7両が改造された。キハ35形と同様に出入口が3カ所設けられているが、座席はバケット式のロングシートとなっている。車体各部にバス用の部品が使用されており、冷房装置もバス用のユニットクーラーを鉄道用に設計変更したAU34を使用している。機関はキハ37形で使用されたDMF13Sを横形に変更したDMF13HS(250PS/1900rpm)を1台搭載し、台車は種車のDT22C(TR51B)を再利用している。高崎に配置され八高線で使用されたが、八高線の電化に伴い木更津に配転となり 現在は全車とも久留里線で使用されている。

キハ38 3
キハ38 3(高タカ
八王子駅、1988年 1月 5日

 <車両履歴>
  キハ35 513 (1965年/新製)
    ↓
  キハ38 3  (1986年/改造)
キハ38 1001
キハ38 1001(千マリ
上総亀山駅、2007年 4月21日

 <車両履歴>
  キハ35 153 (1966年/新製)
    ↓
  キハ38 1001 (1986年/改造)



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◆キハ54
 キハ54 1〜12(四国向け)
501〜529(北海道向け)
 四国および北海道向けに製造された勾配線区用のステンレス製気動車で、1986〜1987(昭和61〜62)年に四国向けの0番代 12両、北海道向けの500番代 29両、合計41両が製造された。
 キハ54 1〜12は四国向けとしてにキハ32形とともに製造されたグループで、1987(昭和62)年に新潟鉄工所、富士重工業で12両製造された。基本設計は16m車体のキハ32形と同様となっており、室内はバケット式のロングシートで出入口扉はバス用の900mm幅折戸となっているが、勾配線区用に2台機関搭載車となっているため車体長は20mと長くなっている。冷房装置は駆動機関直結形(バス用)のAU26Aを使用している。機関は250PS(1900rpm)のDMF13HSを2台搭載し、台車は廃車発生品のDT22Cを使用している。松山に新製配置され予讃線、予土線で使用されたが、その後全車とも高知へ転属し土讃線で使用されている。

 キハ54 501〜529は北海道向けに製造されたグループで、1986(昭和61)年に新潟鉄工所、富士重工業で29両製造された。車体形状は両運転台形のステンレス製車体で、北海道向けのため各部に耐寒耐雪対策が施されており 側窓は二重窓となっている。座席はバケット式のセミクロスシート(後に一部はリクライニングシート化)で、急行「礼文」用として登場したキハ54 527〜529は新幹線用の転換式クロスシート(発生品)を使用している。機関は250PS(1900rpm)のDMF13HSを2台搭載し、台車は廃車発生品のDT22Cを使用している。北海道地区に新製配置され、北海道のローカル線で使用されている。

キハ54  517
キハ54 517(釧クシ
釧路運転所、1993年 7月25日

 <車両履歴>
  キハ54 517 (1986年/新製)



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◆キサハ34
 キサハ34 1, 2(旧オハ12)
501, 502(旧スハフ12、車掌室付き)
 氷見線の増結用としてJR西日本において12系客車を改造した付随気動車で、1992(平成4)年に松任工で0番代 2両、車掌室付きの500番代 2両、合計4両が改造された。キサハ34 1, 2オハ12形1000番代(旧オハ12形0番代)からの改造車で、キサハ34 501, 502スハフ12形1000番代(旧スハフ12形0番代)からの改造車となっている。改造では電気連結器の新設、ホロ座の変更、車内のアコモ改良、便所の撤去などが施工された程度で、冷房装置(AU13A)や台車(TR217)は種車のものを使用している。付随車のため駆動用機関は搭載されていないが、キサハ34 501, 502の床下には冷暖房などのサービス電源用としてスハフ12形時代のディーゼル発電機が搭載されている。高岡に配置され キハ28形とキハ58形にはさまれてラッシュ時の氷見線で使用されたが、1996(平成8)年に全車廃車となり形式消滅した。

キサハ34 2
キサハ34 2(金タオ 伏木駅、1992年 5月30日

 写真:畑下学氏より提供

 <車両履歴>
  オハ12 194 (1970年/新製)
    ↓
  オハ12 1021(1985年/改造)
    ↓
  キサハ34 2 (1992年/改造)
    
   −−−  (1996年/廃車)
キサハ34 502
キサハ34 502(金タオ 氷見駅、1992年 5月30日

 写真:畑下学氏より提供

 <車両履歴>
  スハフ12 90 (1971年/新製)
    ↓
  スハフ12 1003(1985年/改造)
    ↓
  キサハ34 502 (1992年/改造)
    
   −−−   (1996年/廃車)


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