昼夜兼用の特急電車として登場した581系交直流電車(50Hz用)の制御車(先頭車)で、1967〜1970(昭和42〜45)年に日本車輌、近畿車輌、川崎車輌(川崎重工)、汽車製造、日立製作所で41両製造された。特急形電車として初めての貫通形先頭車となっており、正面の特急マーク部分の扉を左右に開くと貫通幌が出現し、愛称板がついた貫通扉を手前に開いて使用する構造となっている。運転室後部には機械室が設置されており、空気圧縮機(CP)と150kVAの電動発電機(MG)が設置されている。客室は中央通路を挟んで左右に上中下3段寝台を線路方向に配列した開放寝台となっているが、寝台を収納するとシートピッチ1,900mmのクロスシートに変更できるようになっている(定員44名〈寝台33名〉)。客室の前位(出入台)側には車掌室と物置が設けられており、後位側には洗面所・便所が設けられている。冷房装置はAU15を8台搭載しており、台車は空気バネのTR69Dを使用している。南福岡、青森に新製配置され、主に新大阪〜九州間や東北・常磐線の寝台特急「月光」「金星」「はくつる」「ゆうづる」などや昼行特急「みどり」「はつかり」などで使用された。その後 寝台特急の需要減少による運用の減少に伴い余剰車となり、1983〜1985(昭和58〜60)年に6両が近郊形419系交直流電車のクハ419形へ改造され、25両が近郊形715系交流電車のクハ715形0番代(10両)、クハ715形1000番代(15両)へ改造されたが、残った向日町の10両は現在も大阪〜新潟間の急行「きたぐに」で使用されている。
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