信越本線横川〜軽井沢間の協調運転用試作車165系900番代を基本に量産された急行形169系直流電車の制御車(Tc)で、1968〜1969(昭和43〜44)年に日本車輌、東急車輌、近畿車輌で27両製造された。クハ165形を基本とした2扉クロスシートとなっているが(定員76名)、信越本線横川〜軽井沢間において補機EF63形と協調運転をするための機能を備えており、抑圧発電ブレーキ故障に備えて抑圧弁を備えている。台車はクハ165形(クハ165-59 以降)と同じ空気バネのTR69Bを使用している。製造当初は冷房準備工事車(非冷房)であったが、後に冷房化され分散形冷房装置AU13Eが5台取り付けられた(クハ169-26, 27は当初から冷房付で登場)。長野に新製配置され 急行「信州」「妙高」などに使用されたが、1986(昭和61)年の急行「信州」の特急化後はほとんどが松本へ転属し中央本線のローカル運用を中心に使用された。一部は急行「かもしか」(後に快速「みすず」)用として車体塗色をクリーム10号・緑14号に変更し、座席を新幹線シートに変更するなどのアコモ改良が施された。その後、ローカル運用からの離脱やしなの鉄道への譲渡などで廃車が進み、晩年は関東地区の波動輸送用として使用されたが、2003(平成15)年までに全車廃車となり形式消滅した。 |